綾香が指差した道の向こう側に、おぼろ気に海が見え始めていた
それは車が進むごとに少しずつ広がっていく
俺は思わず車の窓から体を半分乗り出していた
「おお!マジで綺麗な海…」
「渚!危ないから!」
「おわっ!」
そんな俺のTシャツの裾をおもいっきり引っ張って車に引き戻す綾香
海は本当に綺麗だった
天気がいいお陰で、その光を水面が受け止めてキラキラと輝いている
「うわぁ~、板持ってくりゃ良かった~」
「ダメー!今日はサーフィンはしないの」
「はいはい」
そんなやり取りをしているうちに車は海の近くの小さな駐車場にたどり着いた



