やがて車は田舎道に差し掛かる そこは緩やかな上り坂 こんな所に海が?っと思うけれど風と共に流れてくる微かな潮の香り 本当に海が近づいているようだ 「お前、よくこんなとこ見つけたな…」 「ふふ…まあね…」 「よく迷子にならなかったもんだ」 「………」 これは迷子になったみたいだな… カーナビは… よし、付いてるし帰りは俺が運転した方がいいかもな… そんなことを考えていると、突然隣で綾香が大きな声を出した 「渚!ほら見て!前!」