「せっかく私が運転してるんだから、今日は何にも考えないでドライブを楽しむ!」 「はいはい」 「『はい』は1回!」 「はーい、綾香さま」 それを聞いた綾香はもう!っと言ってむくれているものの機嫌は悪く無さそうだ 「綾香も早く彼氏作ってドライブしろよ」 俺は不意に外の流れる景色に目をやりながらそんなことを呟いた 出来るだけ軽い口調で言ったつもりだけれど 綾香はその途端、黙り込んでしまった 外を見ているから綾香の表情はわからない… だけど俺は美鈴よりは鈍くないつもりだ