淡いブルーの普通車はよく手入れされていて、持ち主に大事にされていることが伺えた



その車体の色は、まるで今日の空の青さをそのまま写し出しているように眩しい



俺は綾香に促されるまま助手席に乗った



「行くよ!」


「おう…ククッ…」



綾香の張り切った声が何だか可笑しくて笑うと、綾香の手がすぐに飛んでくる



やがで車はユルユルと申し訳なさそうに動き出した



「…ふっ…制限速度ぐらい出そうか?」


「うるさいなー!これからなの!気が散るし!」



全開にしている窓から初夏の爽やかな風が吹き込んでくる



俺はそれを全身で浴びながら久しぶりのドライブを楽しんだ