「美鈴ちゃんが来た次の日から妙に張り切っちゃって…
ここんとこずっと海でいるよ
何でも次の大会に出るんだと」



トビーさんの話を聞いていると、美鈴の事情についてはまったく聞かされていない様子だった



だから私も特に具体的な話をせずに話を合わせた




「その大会っていつ?」


「え?あ~…確か…」



トビーさんは机の隅に置かれたカレンダーのメモに視線を落とす



「来週の水曜日からかな…」




っということは一週間後



「そっかありがとう」


「もう帰るのか?」


「うん、あっちに寄って」


「んじゃこれ持っていけ」



トビーさんは私の指差した方を見ると、そう言ってミネラルウォーターを2本差し出した



私はそれを受けとると、お礼を言ってテイクオフを後にした



もちろん目指すのは渚のいる海