暮れていく夕日で真っ赤になった美鈴の顔 美鈴は俺を無言で見つめ続けていた 今この手をここで離したら もしかしたらそれが最後になるかもしれない けれど俺は信じている 二人を結ぶ糸を 何度も切れそうになったその糸は 夕日に照らされて赤い色をしているはずだ 美鈴が俺を不幸にすると不安を抱いてるなら 俺がその運命ごとひっくり返してやる 俺はそんな決意を固めながら、強く繋いでいた美鈴の両手をそっと離した その美鈴の手の中には、さっき海から貰った幸せの欠片が握られていた