暫く車を走らせて、コインパーキングに車を止めると
2人で入ったのは、駅通りの小さな喫茶店
カランカラン──……‥‥
古風な鈴の音と、香ばしい豆の香り
「お久しぶりです」
「おお、ヒロヤ~元気だったか?」
どうも三池くんの知り合いの店のようだ
私たちは通りが見える、窓際の席に通されてアイスコーヒーを注文した
「何か雰囲気のある店だね」
テイクオフを思い出すな…
そんな落ち着いた雰囲気に緊張が少しずつ解れていく
そういえば最近テイクオフにも全然行ってないな
「昔、アルバイトしてたことがあって…」
「そっかぁ~だからお店の人と仲がいいんだね」
「うん…」
三池くんはそこまで言うと、いったん窓の外を見てから再び口を開いた
「昔、美鈴もここに来たことあるんだ」
え…?



