『足掻いても足掻いても…
どうにもならない…
身動きのとれない渦に飲み込まれて行くように…』
働いても働いても
お父さんの酒代に消えていく
借金は増えるばかり
傷は痛みを増すばかり
希美ちゃんを頼ろうか…?
でも迷惑は掛けられない…
『何が正しくて、何が間違った選択だったのかもうわからなくて…
ある日…お父さんを殺して…自分も死のうと思いました』
──ありがとうございました~
『ホームセンターで果物ナイフを買って…
家にいる、酔っぱらったお父さんの後ろから…
一撃で刺せばそれで終わる…
私もその時はちょっと頭がおかしかった』
「そう言って笑った美鈴の顔は背筋が凍るほど冷たかった…」
沙羅さんは話をそこで一旦やめた
そして何かを考え込むような仕草をしてから
「人間って悲しいわね…
想像以上に…現実は過酷よ…」
そう言って再び話し始めた



