「文句言ってやろうと思って近づいたのに
あのこ、あたしが隣に立ったのに気づきもしないで、思い詰めた目をしてジッと海を見てたの…」
沙羅さんはシガレットケースから再びタバコを取り出し
そしてそれに慣れた手つきで火をつけてから、一息つく
「あたしね、
直感的にこのこ死のうとしてるなって思った」
「え…」
俺は沙羅さんからでた衝撃的な言葉に声を出さずにはいられなかった
美鈴が…
死のうとしていた…?
そう考えただけで、暑いはずなのにブルりと身震いをしていた
「だから私、突然あのこの手を掴んでバカみたいこと言ったの」
『あなた、私に飼われてみない?』
「美鈴は振り向いて驚いていたけど、すぐに目の色が変わったわ
それを見て…ふふっ…
嬉しくなっちゃって
ああ…よかった
このこまだ生きる気があるんだなって安心した」
今にしてみれば、何でそんなことしたのかわからないっと言って笑う沙羅さんに俺は心の中で感謝していた
よかった…
沙羅さんがいてくれて本当によかった…



