ザザザァ───……‥
────ザザァ……‥‥
──ザザァ──‥‥……
「ここ…」
俺は車の外の景色を見てもすぐに反応できなかった
「見ての通りの海よ
高速乗ったから、割りと早く着いたわ~」
沙羅さんにそう言われて、再び海を眺める
そこはあまり手の加えられていない、地元の人しか来ないような海
「…っあ…」
その見覚えのある光景に、やっといつか綾香に連れて来られた海であることに気がついた
美鈴とも再会した海だと
でもその海に沙羅さんがどうして…
俺が疑問に思ったのと、沙羅さんが再び口を開いたのはほぼ同時だった
「私、この街の出身なのよ~
なかなかいい海でしょ?
昔から嫌なことがあったらいつもここに来てたの
今でもね」
そう言ってタバコを吹かしながら俺にウインクしてくる



