【完】キミがいた夏〜Four years later〜




私はある日の早朝、渚の住むマンションに向かっていた



渚は大学生になってから、大学の近くにある家族の所有するマンションで独り暮らしをしていた



それを聞いた時は、さすが老舗の呉服屋の息子だと思ったけれど



生活費は自分でアルバイトをして稼いでいると言っていた



そういうところが渚っぽいような気がする



私はこの間した約束通りに渚を起こしに来たのだ



けれどサーフィンをするために誘いに来たワケではない



1コマ目の講義が一緒だったので、それに間に合うように誘いに来ただけだ



誘いに来れば一緒に登校できる



そして隣の席に座ることができる



私は何かに託つけて会いにこなければ、会える関係ではないのだから…