またいつもの繁華街の通りを歩く。 気づくとあのカフェに足が向いていた。 別にあの男に会うためじゃない。 あそこのココアが、唯一あたしを慰めてくれる。 昔、家族で飲んだココア。 あれと味が似ているせいかもしれない。 明るい明かりが漏れるカフェにあたしは足を踏み入れた。 「いらっしゃいませー!」 またいつものお姉さんが席に案内してくれる。 「ココア1つ、お願いします。」