また、コイツ…。
コイツといると
狂わされる。
せっかく抑えてる感情をコイツがかき乱すんだ……
「何でまたいんのよ…。
てかそんなジロジロ見ないで。」
「あっスイマセン!!
あの……この間は余計なこと言ってすみませんでした。
あと…その、首のとこ……」
はっ?
言われて鞄から鏡を出して首を見ると……
「何コレ…。」
それは確かに世に言う"キスマーク"だった…。
アイツ…!
知らない間にこんなモノ付けやがって!!
マジで許せない!!
でもだからってもう会うこともない。
消えるの待つか…。
でもこんなんで外歩けない。
ポトッ
何かが落ちる音がして、
テーブルの上を見ると…
絆創膏が置かれていた。
「良かったら使ってください。
これなら、見えませんから。」
何なの、コイツ……
調子狂うっつーの。
「どうしてこんなモノ付けられたか聞かないわけ?」
「聞いたところで先輩辞めないでしょ。
それに、聞かなくても分かりますから。」
何よ。
知ってるような口ぶりして。
ほんとムカつく。
「あっそ。
辞めないけど。
あたしが何しようとあんたに関係ないからね。」
物好きだよね。
あたしの心踏み込んできて。
「ココア、1つ…。」
多分あんたでも、
あたしは心を開くことはない。
「かしこまりました。」
あたしの心の闇は誰にも分からない。
あんたもきっと、そのうちあたしのことなんか忘れるから。

