「そういえば、あいつら戻って来る気ないんかな……」


未だに頬の熱が冷めないのを感じていると、香坂君がポツリと呟いた。


「……さぁ」


言葉を交わす事も、顔を見る事も恥ずかしくて、素っ気無い返事しか出来ない。


そんなあたしを見て、香坂君がクスッと笑った。


「堀川って照れ屋やな」


「照れ屋って言うか……」


「もっとクールな感じなんかと思ってたわ。日直が黒板消すの忘れてたりしたら、さりげなく代わりに消してあげたりしてたし」