「……やっぱり無理!」


パーティー会場の店の前に着いた直後、入口にクルリと背中を向けた。


「いや、もう着いたやんか!」


逃げようとしたあたしの腕を掴んだ智恵が、有無を言わさない笑顔を向けて来る。


「でも、こんな格好恥ずかしいし!」


コートの下の服装を思い出して懇願すると、彼女はニッコリと笑った。


「親友からの誕プレを恥ずかしいとか言う?」


「いっ……やーっ!!」


あたしは、店内に引きずり込まれてしまった。