「すっ……好きっ!!」


咄嗟に目を瞑(ツム)ってそう叫ぶと、パタンと携帯を閉じる音がした。


ホッとしたあたしは、思わず言葉を付け足す。


「……かもしれん」


目を開けると、智恵が不満げな顔をしていたけど…


「まっ、のえるにしたら上出来やな」


彼女はすぐに満足げに笑って、真っ赤なラッピング袋を差し出した。


「ほんなら行こか、のえるちゃん♪」


再び降臨した悪魔の微笑みに嫌な予感がしたのは、言うまでも無い――…。