世間はクリスマスイヴで賑わっているであろう今日、あたしは自分の部屋の隅で蹲(ウズクマ)っていた。


「のえる〜!メリクリ〜♪ついでにハピバ〜♪」


すると突然、暗いオーラに包まれていた部屋のドアが開いて、明るい声が響いた。


「……って。何なん、その酷い顔!」


レトロなワンピースに身を包んだ智恵が、あからさまに嫌そうな顔をする。


「もう!せっかくのイヴで、しかも今日はのえるの誕生日やのに……。のえる、一昨日からおかしいし!何があったん?」