散々笑われた後、香坂君は瞳に涙を溜めたまま口を開いた。


「あ〜、めっちゃ笑った。それにしても、堀川って頭イイしスポーツも結構出来るのに、チャリに乗られへんとか……」


言いながらまた笑った香坂君を、ギロリと睨む。


すると、彼は少しだけバツが悪そうに苦笑した。


「ごめん」


ムスッと膨れて見せるあたしに、香坂君が優しく微笑む。


「笑ったお詫びに、後で何か奢るわ!」


「え?」


「だから、とりあえず後ろに乗って?」