「……乗られへんねん」


「へ?」


「……チャリ」


潔く白状すると、向けられたのはキョトンとした顔。


そして数秒の沈黙の後、香坂君が大きく吹き出し、ケラケラと笑った。


「ちょっ、笑わんといてよ!」


「いや、だって……」


「だっ、大体!こんな細いタイヤ二本だけで動く乗り物なんて、危なっかしくて乗れる訳ないやん!タイヤが取れたらどうするん!?」


「ブッ……!!」


必死に反論すると、香坂君は更に笑った。