「のえるちゃん、おはよ〜!」


「あ、おはよ……」


香坂君がクリスマスパーティーの提案をしてから数日後、いつも通り登校して教室に入るとクラスの女子に声を掛けられた。


「あっ、のえるちゃんやん!」


「のえるちゃん、後で昨日の数学の宿題教えてくれへん?」


「あっ、うん。あたしでよかったら……」


次々と話し掛けられる事に戸惑いながらも、一人一人に丁寧に言葉を返す。


あの日から、あたしは何故か名前で呼ばれるようになっていた。