「あっ、おかえり〜!」


家に帰ると、いつも通りママに声を掛けられた。


「ただいま」


短く返して階段を上がり始めると、後ろから明るい声が飛んで来た。


「のえる、着替えたら羅々(ララ)と一緒に降りて来て!プリン食べよ?」


「あたし、いらんわ……」


「せっかく並んで買って来たのに、そんなん言わんといてよ……」


不満げに零したママに簡単に負けたあたしは、渋々首を縦に振る。


「……わかった。すぐに着替えて降りるわ」