「智恵って強情やんな……」


「そりゃどうも」


「褒めてないわ」


「あ、そう。でも、のえるには負けるで?」


智恵は楽しげな笑みを見せ、お弁当箱の蓋を開けた。


「ラッキー!今日はコロッケや!」


ヒヒッと怪しげな笑いを零す姿は、何だかおじさん臭さが漂っている。


「何でもイイけど、あたしの名前の由来だけは絶対に誰にも言わんといてよ!」


「はいは〜い」


智恵は適当に相槌を打って、コロッケを頬張った――…。