キスされたんだと気付いたのは、数秒後の事だった。


「あぁーーっ!!サンタがキスしてるーーっ!!」


呆然とするあたしから香坂君が離れる寸前、興奮を含んだ誰かの声が響いた。


開き直ったようにニッと笑う彼に反して、あたしは顔を真っ赤にする事しか出来ない。


ざわめきが一層大きくなった店内で、誰よりもキラキラと輝く笑顔のサンタクロース。


あたしは“アストロ・ツイン”の彼にもっともっと惹かれていく事を予感しながら、ストラップをそっと握った――…。





             END.