サンタが乗ったブッシュ・ド・ノエルのチャームが着いたストラップは、あたしの為に選んでくれたんだって事がすぐにわかった。


「めっちゃ嬉しい……。でも……あたし、何も用意してなくて……」


「大丈夫、今から貰うから」


香坂君はキョロキョロと周りの様子を窺って、悪戯な笑みを浮かべた。


「あぁーーっ!!」


その直後、突然叫びながら天井を差した彼の指先に、皆の視線が集まる。


あたしも同じように顔を上げた瞬間、視界が香坂君の顔で覆われた。