「ちょっとは私の話も聞きなさいよ!!」




泣きながら叫ぶと拓実君は呆気にとられたような顔で私を見ている




「っていうかさっき会ったのはお兄ちゃんだし手を放したのはお兄ちゃんに拓実君とのこと知られるのがただ恥ずかしかっただけ!!」




「え?お兄ちゃん?」




「だから別に何もないし!それよりもとから私には拓実君しか見えてないの!」




「ちょっ…春。嬉しいけどそんな叫ばなくても…」




「うるさい!黙って聞いてなさい!」