瞳の奥のキミ



「聞いていいかしら?

なんで冬ちゃんがあの家を
出て行ってここに来たのか。」



「かまいませんよ。

私はあの家が大好きでした。

しかし、私の家は
とても貧乏だったのです。

数年前まではですが・・・。」



冬ちゃんは紅茶を淹れながら

私にゆっくりと話してくれる



「私は家族の為お金を稼がなければ
いけないと思い

仕事を探している所に柊様が
私に声をかけて下さったのです。」



私はそんなことさえ知らなかった


今までそんな話一度も聞いたことがなかった
お父様からも双葉ちゃんからも



冬ちゃんは紅茶を私に渡し

隣に座った



ベッドがギシッっと軋む



「春兎にはどうしても言えなかったんです。」


「どうして?」



紅茶を口につけかけた私は

少しばかり舌をやけどする



冬ちゃんはちょっと苦笑して

天井の方を見上げた




「春兎は私が誰かに指示されて動くのが嫌だったのです。

とても優しい子ですからね。

少し変な子でもありますが。」


そう言う冬ちゃんの顔は穏やかで優しかった


なんか悔しいな