瞳の奥のキミ



「どうされたのですか?」

「冬ちゃんの過去を見たわ。」



そう言葉にした瞬間


ピタリッ


冬ちゃんの動きが止まった



私は罰が悪くなって俯く

一向に動かない冬ちゃんに私は
目を泳がせるばかり


やっぱ言っちゃ駄目だったかな?

今度は別の意味で泣きそうになって
ぎゅっと拳を握ってしまう


「ぷっ。」




恐る恐る顔を上げると
笑いを堪えている冬ちゃんがいた


そして堪えきれずに
笑顔が咲いた


それは今までに見たことないくらいの
やわらかく優しい笑顔で


思わず私の頬は赤く染まる


「そうですか。

乙葉様はお優しい方ですので
きっと私の過去を見られて

春兎の悲しみを感じてしまわれてのですね。」


冬ちゃんは私に近づいて
私のきれいな茶髪をくしゃっとする


ふと思う。

冬ちゃんは
たまに本当のお兄ちゃんみたいだなって


ほんわかしてて落ち着く感じなんだ

それはきっと冬ちゃんの匂い


ひまわりの温かい香り