巫女姫は、決まって陽が傾きかけた頃に神殿の外にでて遊んだ。
深緑が基調の巫女服を引きずって走ったり、大きな声でよく笑う、明るい少女だった。
巫女姫が10歳のときだった。
巫女姫が外に出ているのは夕方だけだとは知っていたが、なんとなく神殿に足が向いた。
その日は新月で、月明かりもなく真っ暗だったが、足が覚えているとでも言う様に迷わずに神殿についた。
精霊草の淡い光だけで神殿が照らされている。
ふと音がするのを感じて神殿の二階を見た。
神殿の一室の窓が開いていた。
そして、巫女姫がぐっと体を乗り出すのが見えた。
深緑が基調の巫女服を引きずって走ったり、大きな声でよく笑う、明るい少女だった。
巫女姫が10歳のときだった。
巫女姫が外に出ているのは夕方だけだとは知っていたが、なんとなく神殿に足が向いた。
その日は新月で、月明かりもなく真っ暗だったが、足が覚えているとでも言う様に迷わずに神殿についた。
精霊草の淡い光だけで神殿が照らされている。
ふと音がするのを感じて神殿の二階を見た。
神殿の一室の窓が開いていた。
そして、巫女姫がぐっと体を乗り出すのが見えた。



