ナフィは12歳に、私は17歳になったある秋、私はその日の仕事を終わらせるといつものようにナフィの様子を見に行った。
10人ほどいる満月の晩に生まれた子の中でも、ナフィだけは特別な巫女服を着ている。
精霊草の繊維が編まれており、強い魔法がかけられ、劣化もしないし傷もつかない巫女服だ。
3歳の頃、大きすぎて引きずっていたその巫女服は今では裾がふくらはぎよりも上の位置にある。
9年という長く、濃い時間の流れを、その時不意に感じた。
予感めいたものだ。
これからも続くものであれば、こんなことを感じはしなかっただろう。
今まで同じように繰り返された時が終わる予感だった。