「花菜様が、お世話になりました。」

「いえいえ‥」

「では、失礼します‥」

「あの‥ホントに
ありがとうございました。」

「花菜ちゃん、また遊びに来てね?」
空美さんは、ニコニコと
手を振ってくれた。

いつも通り、ゆっくりと
発車した橘さんに聞いた。

「橘さん、どうしてあのお家が
分かったんですか‥?」

「おや‥お嬢様は
ご存じありませんでしたか。
海谷グループは、我が桜井グループの
経営している一番大きいホテルを
任せているグループなんですよ?」

「あ、そうなんですか‥」