そのまま、彼は少し頭の位置をずらして、私の腕に頭をぐりぐりとする。


「ちょ、な、なんなんですか」


「んー…」


ぐりぐり。


「眠いの…?」


「んー…」


ぐりぐり。

……眠いのか。



犬みたいな毛が、ちくちくと腕に当たる。


まるで撫でて、って甘えてるみたい。



「………よしよし」



彼の頭を撫でると、ぐりぐりが止まる。


飽きもせず、彼の頭を撫で続ける。




かっこよかったり、小学生みたいだったり、急に甘えてきたり。


もう、君はいちいち私の心を握り潰す。



いつかは、白黒つけなきゃいけないけど。


そんなの、分かってるけど。


頭を撫でながら、軽く彼の頭に私の頭をぶつける。




ごめんなさい、


今はまだ、このままで。



ふわりと、彼の優しい香りがした。




準備を終えたらしい花火が、もう一度、響き始めた。







*今は未だ、散ること勿れ*


(私は、まだ知りたくない。この恋の結末を)







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