男達に溺愛された女

「なに?」


「ストップウォッチよろしく。」


「あぁ…。うん。」



渡された私はこれから紫が何をするのか分かって黙って受け取った。



「なに?何すんだ?」



不思議そうな顔をして周りで遊んでた怜太達も水に入って楓の隣に立った紫を見ていた。



「よし!!行くぞ!?楓!!」


「は?」


「はい、吸って!!…止めて!!」



次の瞬間楓は紫の手で頭を掴まれ水の中に顔をつけた。

と同時に私はストップウォッチをスタートさせる。



「お!!強行ですな?」


「朔兄ちゃん…。」



いつの間にか朔兄ちゃんが隣に立っていた。



「蓮も1回紫にやられたよな?」


「うん…。あれは死ぬ思いをするよ…。」



そんな短い会話をしていると楓がもがき始めた。
ストップウォッチはあともうちょっとで40秒。


「あと、15秒!!」


「モガッ!!ブボッ!!」



水の中で必死にもがいて紫の手から逃れようと頑張ってる楓が可哀想に見えた。


だけど、強行に移したのは楓の為だから頑張ってほしい…。



「紫、40秒。」


「よし!!よく頑張ったな!!楓?」


「ゴボッ!?ゲホッ!!ゲホッ!!エホッゲホゲホッ!!」



涙目で水から上がってきた楓は辛そうに咳き込んでいた。

楓にタオルを渡して背中を擦ってあげた。


皆はそんな私達を見て顔を青ざめていた。
暁に目を向けると座ったまま顔を引きつらせて見ていた。



「さぁて!!これをあと2回だ!!」


「2回もやったら俺死んぢまう!!」


「大丈夫だ!!蓮が生きてるから!!」


「はぁ!?まさか、蓮にも同じことしたのか!?」


「したわよ?だって泳げるようになりたかったし?」

「そうそう!!最終的には1分近く息を止めて泳げるようになったよな?」


「うん。今は無理だけどね。」