「あの…番号が分かったからいいです」 段々待っているだけなのも嫌になってきて、早く和希に会いたくて、私から妥協した。 「そう? ならいいや」 和希も面倒だったみたいで、探すのをやめてすぐに外へ出た。 私の待つ階段下まで降りると、和希はひらめいた、と目を見開いた。 「じゃあさ。俺、またアドレス変えるわ」 「え、どうして」 「今、決めよう。そしたら、愛崎も俺のアドレス分かるだろ」