好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「何？　いたずら？」

ムッとして、携帯をカバンに押し込むと

またバイブがカバンを揺らした。


「また公衆電話？」


悲しい気持ちにドップリ浸かろうと思っていたのに

何でこの「公衆電話」は空気読めない？


「ちょっと！　もしもし！　誰ですかっ！！」


大声で怒鳴りつけると、携帯電話の向こうから笑い声が聞こえた。