好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「もう友だちではいられないね」

そうだよね……

覚悟していたことなのに

涙が自然と溢れ出す。


どんどんこぼれる涙を袖で拭きながら

私はゆっくり歩き出した。

坂の下にいた光と肩がすれ違った。



光はまるで見えているかのように私の顔を捉えていた。


「ごめんなさい」

すれ違う瞬間、光にだけ聞こえるように、呟いた。