好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕


歩道が段々狭くなって、少し上り坂を進んだところで、美紀が後ろを振り返った。


「見て!!」


淡い赤紫や、ほんのり色づいた白が、見える視界の全てを染めている。

雲ひとつない濃い空の青と、ピンクの境界線がずっと遠くに感じる。

私と美紀は暫くの間、風景の一部になって

その夢のような世界を眺めていた。


「すごい…すごく、キレイ…」

「ここがこの公園の隠れスポットなんだよ」