訪問者はすれ違いで帰って行った。


あたしの慌て方を見て、家政婦さんが目を丸くして驚いてる。


「…今の…誰?」


恐る恐る、家政婦さんに聞いてみた。


「病院の関係者だったらしいですよ。」


やっぱり霧生?!


生きてたの?

「霧生ってさっき…。」


「はい。…どうしました?」


「その男の人、家に何の用事だったの?」


「さあ…。」


スッとぼけた顔をしている。


…ってことは、あたし関係?


急いで部屋に駆け上がると、玄関と門の見える方の窓を開けた。