朝まで眠れなかった。


友情も愛情も…


全てが分らない。


ベットの中でうずくまるように両膝を抱えて。


心を閉ざしてしまっていた。


朝焼けが差し込める頃。


カチャッ…


音がすると同時に足音が聞こえた。


ゆっくり布団から顔を出す。


「なんだ、眠れなかったのか?ごめん。医局で寝ちゃったんだ。」


いつもと何ひとつ変わらないお兄ちゃんが、優しく声をかけてきた。


医局になんていなかった。


----やっぱり、絢音と会っていたんだ。


いつものように、お兄ちゃんがベットの脇に座って頭を撫でた。


パチン!!!


とっさに、手を払ってしまった。