『チワワへ…

ありがとう。今はこの言葉しかでてこない。

ウソツキでごめん。

でも、耐えられない自分がいるのも確か。

今までありがとう。

ハーゲンダッツ守れなくてごめん。』


本当に霧生のウソツキだ!!


止まっていた涙がポタポタと流れ始めた。


チャッチャララ~

チャッチャララ~


携帯が鳴り出した。


霧生?!


慌てて電話に出た。


「もしもし!?」


「紗羽か?今日は帰り遅いな。何かあったのか?」


お兄ちゃんが帰りの遅いのを心配してくれて、連絡してきてくれた。


「お兄ちゃ~ん!!」


お兄ちゃんの声に安心して、大声で泣き出した。


鼻水をズルズルさせて、子供のように泣いた。


「どうした?今どこにいるんだ??」


「公園…。」


「わかった、迎えに行くから待ってろ。」


10分もすると、お兄ちゃんが車で迎えに来てくれた。


お兄ちゃんは何も聞かず、あたしもただ涙を流すだけ。


助手席に乗りながら、窓の外で通り過ぎる霧生のアパートを見ていた。