霧生!!お願いだから…


お願いだから、死ぬなんて考えないで!!


溢れてくる涙が風に千切れていく。


無我夢中で走っていた。


霧生の行きそうな所。


全然、思いつかない自分に腹が立って仕方ない。


霧生!!霧生!!霧生!!


心の中で叫び続けてた。


どうする事もできない自分の無力さを痛感させられる。


どれだけ走ったのか?


辺りは暗くなって、皮肉にも星が綺麗に輝いている。


泣いた顔を上げると、そこは公園の中だった。


ブランコに座り、霧生の携帯に電話をかけてみた。


コール音は鳴る。


でも電話に出ない。


しつこいくらい電話をしても、霧生が出る事はなかった。


『霧生の嘘つき!!』


それだけメールした。


気休めかもしれないけど、携帯が繋がっている事で少し安心してる。


今頃、どこに居るんだろう?


誰かと一緒かな?


一人ぼっちでブランコをこぎながら、霧生の事ばかりを考えてる。


携帯が繋がるんだから、あの手紙は信用なんかしない。


そう言い聞かせるものの、手紙の内容を思い返すたびに怖くなる。



霧生の残した手紙の内容…。



………それは。