霧生が冬槻と一歩踏み出せた事が嬉しくて。


ハイテンションで帰ってくると、珍しくお兄ちゃんがあたしの部屋にきてた。


「どこ行ってた?」


「うん。友達の家。」


「宿題してたのか?」


「恋の救世主してきた。」


満面の笑顔で、ベッドに座るお兄ちゃんの隣に座ってもたれかかった。


「なんだ?恋の救世主って?」


不思議そうな顔のお兄ちゃん。


「友達が好きで別れた人とやり直したいけど、どうしていいか困ってて…。」


「それで相談のってたのか。」


「うん。」


「そうか。でも危ないから遅くなるなよ。」


「大丈夫。」


久しぶりのお兄ちゃんに、思いっきり抱きついて甘えてみた。


「そうだ!!紗羽に渡したいものがあるんだ。」


そう言って、ポケットから携帯電話を取り出した。


「携帯なんかどうしたの?」


キョトンとした顔で目の前の携帯を見た。


「ほら、帰りが遅かったりすると色々と危ないだろ?何かあったり、遅くなりそうな時や寂しいときは連絡しろ。」


「うん!!ありがとう。」


これで、いつでもお兄ちゃんと繋がっていられる。


霧生とも連絡が取りやすくなる。



なんて気分は最高潮だった。