いつもなら、お兄ちゃんと一緒にいたくて、速攻帰りたかったのに。


「ダ~メ。もう10時になるし、中学生は帰るの。」


「いいじゃん。お兄ちゃんなら、好きなだけ遊ばせてくれるよ!?」


仁王立ちで膨れてる。


「お兄ちゃんは保護者でしょ?そんなに遊びたいなら、お兄ちゃんと遊びなさい。」


呆れてる霧生。


「彼女いないんだし、いいじゃん。お兄ちゃん今日は帰り遅いんだもん!!」


「じゃあ、宿題しなさい。」


「…宿題ないもん。」


チラッと霧生から目を逸らした。


「嘘を言うな。」


「…だって。」


スネ始める。


「宿題見てあげるから。」


仕方なさそうに、渋々霧生が言った。


「本当に?!」


「ホントに。」


霧生がポンとヘルメットをあたしの頭に乗せた。


ご機嫌で宿題を持って、霧生の家に向かった。