息を切らせフロアのドアの前で立ち止まった。


目をつぶり大きく一度深呼吸をすると、勢いよくドアを開けた。


あれ…?


真っ暗じゃん?!


もしかして、お兄ちゃんが尚吾に何かしたの?!


慌てて部屋の中に入って、辺りを見回した。


部屋の中を荒らされている様子もないし。


急いで携帯をポケットから取り出すと、秀達の携帯に電話をしようとした。



パチン…



小さな音と共に、冷蔵庫の方から1つの小さな炎が見えた。


「…なに?」


小さくつぶやくと、炎はテーブルの上で止まった。


よ~く目を凝らして見る。


何か、黒い大きな物体がソファに座っている。


「誕生日おめでとう!!!」


その声は尚吾。


「えっ?あたし??」


身に覚えがない。


だって、あたしは11月27日生まれだし。


梅雨に誕生日?!