メニューを見ると、落ちた気分は一気に盛り上がった。


だって『イチゴ・スペシャル・パフェ』が、あるんだもん。


チラッと霧生を見ると、目が合っちゃった。


「決まったのか?」


「イチゴスペシャルパフェ!!」


最上級の笑顔で言うと、淡々としてた霧生の顔が


「プッツ。」


吹き出すと同時に笑った。


「なっ…何がおかしいの?」


最上級の笑顔が、一変してプックリ膨(ふく)れっ面(つら)。


「やっぱり中学生だと思って。」


「何で?」


「イチゴ・スペシャル・パフェって…。」


「だって、イチゴ好きなんだもん!!女の子は、年は関係なく好きですよ。」


口がアヒル状態。


「ごめん。…ちゃんと、ご飯も食べろよ。」


笑いを堪えてるんだろうが、口元が笑ってるし。


「トマト・チーズ・ハンバーグ。」


顔と口は渋ってるけど、目はキラキラ輝いてる。


メニューの写真が、美味しそうで仕方なくて。


そんなあたしの姿を見ながら、笑いを堪えてる霧生がムカつくけど…。


「ねぇ、霧生って何であたしを避けないの?」


ちょっとイジワルな質問をしてみた。