7時過ぎに駐車場に行くと、目の前に見知らぬバイクが止まった。


フルフェイスで、顔も分らない。


まさか誘拐?!


怖くなって逃げようと後ろを向いた。


「ご飯行かないの?」


この声…


「霧生?」


「そうだよ。」


ハンドルに掛けてあったヘルメットを投げ渡した。


ビックリしながら霧生の後ろに乗ると、バイクは走り出した。


「どこ行くの?」


「…。」


聞こえてないのか?


何も答えない。


---着いた場所はファミレス。


「ちょっと何でファミレスかな?」


「中学生には、十分だと思うけど。」


「お兄ちゃんなら、もっといい所に連れて行ってくれるよ!!」


「じゃあ、お兄ちゃんと行きなさい。」


淡々とする霧生。


ふてくされながら、渋々霧生の後を追うようにファミレスに入った。