スピン☆オフ

ピンポ~ン!!!

ピンポ~ン!!!!

ピンポ~ン!!!

ピンポ~ン!!!


このチャイムの鳴らし方は…。


--------ガチャっ。


玄関が開く音がすると、誰かが廊下を歩いてくる。


もしかして…


--------カチャン。


廊下のドアが開くと、少しイラ立った尚吾が入ってきた。


「何で、尚吾が来るかな?」


プイッと、そっぽを向いた。


「姉ちゃんが、来いって言うからさ。」


「あっそ…。」


やっぱり腹が立つ。


自分から来たんじゃなくて、お姉さんに呼ばれたから来たって…。


じゃあ、お姉さんに呼ばれなかったら来ないってことでしょ?!


嬉しいはずなのに、なんか苛立つ。


ああっ!!!


もう、どうしちゃったの??


本当に自分は…。


肝心のお姉さんは、酔いつぶれてソファに寄りかかって寝てる。


リビングには重たい空気が漂ってる。


「あたし寝るわ。お姉さん、部屋に連れてってあげて。」


この場から早く逃げたくて、サッサと部屋に戻った。


ズッポリと頭まで布団を被ると、ギュッと強く目をつぶった。


何も考えないように…。


早く寝よう。


ビールのおかげで、すぐに眠りにつけた。



-------次の日の朝。


リビングに行ってみると、お姉さんは起きていない。


顔を洗って、着替えてメイクして。


いつもの朝のはずだった。


朝ご飯でも食べようと、冷蔵庫を開けた。


カチャン…。


お姉さんが起きたのかな?


振り返ってみると、お姉さんじゃない。


その姿を見て、あたしはどうしていいのか分らなかった。


「………。」


言葉さえ忘れてる。