もう、自分はどうしちゃったの??


心も頭の中もグチャグチャ。


家に帰ると、お姉さんがビックリした顔をした。


「どうしたの?今日は、尚吾君と一緒じゃないの?」


「うん。ちょっとイロイロあって…。」


「喧嘩でもしたの?」


心配そうな顔。


「そうじゃなくて…。」


上手く言えなかった。


何を説明したらいいのか?


自分の今の状態を、どうやって表現したらいいのか?



----それすらも分らない。



「まずは、お風呂に入ってきなさい。」


あたしの背中を押しながら、お風呂場に連れて行った。


洗面台の鏡の裏から、ピンクの可愛いボトルを出してきた。


「なに?これ。」


不思議そうな顔で、お姉さんに聞いた。


「これね、イタリアのエステでしか手に入らないの。本物の薔薇から採った100%天然入浴剤なの。リフレッシュには一番!!!」


ニッコリ笑って、あたしに手渡すとリビングに戻っていった。


お姉さんに渡された入浴剤を入れると、薔薇の香がお風呂中に広がった。


ピンクっぽい乳白色のお風呂に浸かると、膝を抱えながら丸まっていた。


本当は、足が伸ばせるくらいゆったりできるのに…。


なんか、丸まっている方が落ち着いた。


ゆっくり深呼吸をすると、薔薇のいい香が気持を落ち着かせてくれた。


1時間はお風呂に入っていた。


お風呂から出ると、少し気分は落ち着いていた。


リビングに戻ると、お姉さんは何も言わず、缶ビールを投げてきた。


「冷たっ!!」


思わず、小さく叫んだ。


「今日だけ、特別にね。」


2人で小さく乾杯をした。


「ありがとう。なんか、少し落ち着いた。」


「いいのよ。それより、ごめんなさい。」


深刻そうなお姉さん。