「やっぱり、唯だ!!!!俺の事、分ってくれてる女の子は。」


ゴチンッ!!!!!!


後ろから、無言で尚吾が頭を殴った。


「ってぇ~。」


振り返りながら頭を抑えると、炎が見えそうなくらいの勢いの尚吾。


「唯に触ぅ~れぇ~るぅ~なぁ~!!」


「別にいいじゃん?!凹んでる時くらいさ。」


「なんで、唯が亮太をかばう?」


「かばってないし。ただ、あたしは友達として励ましただけ。」


なんか、今日は尚吾にイライラする。


尚吾に対してだけ、口調も冷たくなってるのは分る。


なのに、何で自分がイライラしてるか分からない。


「………あの。」


怯えながら、ミュウが尚吾の後ろから、ヒョッコリ顔を出した。


「大丈夫。これって、いつもの事だから。」


秀が笑ってる。


「そうなんですか?」


「そうなんんです。」


秀の言葉に、ホッとした表情になる。


「あたし、今日は帰るね。亮太、ミュウの事よろしく頼むね。」


「おう!!!唯の頼みなら大丈夫。ここでだったら、何やってもかまわないからさ。」


元気よく、OKサインを出した。


少しホッとしながら、足早に家に向かった。


いつもだったら、尚吾が引き止めるはずなのに。


今日は、知らん顔された。


ミュウがいるから?


…ズキンッ!!

…ズキンッ!!!


胸の奥が痛む。


それなのに、何故かイライラが増していく。


もしかして、今頃ミュウと仲よくやってるのかな??


あの二人の事だから、やっちゃっててもおかしくないし…。


変な妄想ばかりが浮かんで。


その度に、胸は『ズキンッ』と痛むのに。


だけど、イライラが増してきて腹立たしくて。