寝ぼけながらリビングに行くと、お姉さんが用意してくれた朝食のベーコンエッグが、ラップを掛けられたまま置いてある。


ベーコンエッグを電子レンジに入れ、温め直した。


携帯を部屋から持ってくると、尚吾からのメールが3件入っていた。


内容は、見なくても分かる。


すぐに、尚吾に電話をかけた。


トゥル…


「どこにいる??」


ワンコールもしてないのに。


出るの早い!!!!


「お姉さんの家で、ご飯食べてる。」


「じゃあ、今から行く。」


「なんで?!」


「起きたらいないから、早く会いたいんだよ。」


「ゴホッ!…」


可愛い口調に、思わずむせてしまった。


「すぐ行くから!!」


プチッ………。


一方的に、電話を切られてしまった。


「夕方会えるのに?」


ブツブツ言いながら、ご飯を食べて着替えた。


電話から30分。


ピンポ~ン!!!

ピンポ~ン!!!

ピンポ~ン!!!!

ピンポ~ン!!!


ずっと、鳴り続けるチャイム。


「うるさいから!!!!」


怒ってドアを開けると、ムスッとした顔の尚吾が立っていた。


「遅い。」


「だからって、何回も鳴らさなくたっていいでしょ?」


「寝てるか、出かけてたら嫌じゃん?!」


「30分じゃ、寝ないし出かけないから。」


「じゃあ、なんで準備万端な格好なんだよ。」


「ちょっと、行きたい所があってね。」


「オレも行く。」


即答。