次の日のお昼過ぎ、尚吾だけが帰った。


あたしはしばらくお姉さんの所に居ることになった。


「嬉しいわ。この部屋に独りは淋しかったから。気兼ねなく好きなだけいてね。」


お姉さんは大喜び。


「すいません。」


まだ、緊張気味のあたし。


「いいの。妹ができたみたいで嬉しいし。」


早速、買い物に出かけて、あたしに必要なものを全て用意してくれた。


気が引けるものの、ここならお兄ちゃんに見つかる心配もないと、どこか安心していた。


お姉さんは、本当の妹のように大事にしてくれて。


学校に行かないならと、勉強を教えてくれたり、一緒に映画を見に行った。


温泉旅行まで計画してて。


いつの間にか、本当のお姉さんのようになついていた。


お姉ちゃんて、いいもんだなぁ…。


毎日が、楽しくて。


あっという間の半年だった。


尚吾とは、相変わらず。


だけど、前よりお互い心を開きあってた。


あたしの中で、尚吾の存在が変わっていたのだ。



----あの脱走した日。